コラム
田舎の土地をどうするの?③
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明けましておめでとうございます。弁護士の家護谷です。本年も宜しくお願い致します(^-^)
前回に引き続き、所有者不明土地等対策について、書いていきます。
【コラム①】では所有者不明土地の問題点、【コラム②】では不動産登記制度の見直しについて簡単に書いてきましたが、【コラム③】では、相続土地国庫帰属法がどのような法律なのかについて書いていきます。
相続土地国庫帰属法とは、簡単に言うと、相続や遺贈により取得した土地を手放して国庫に帰属させる法律です(公布:令和3年4月28日、施行:令和5年4月27日)。
「田舎の土地を相続したけど、使わないから放置しておこう…」という人を減らし、国による土地の利活用を促進することを狙ったものです。
ただし、どんな土地でも簡単に手放せるというわけではありません。次のような条件があります。
以下のような土地に該当しないこと
- ①建物や通常の管理又は処分を阻害する工作物等がある土地
- ②土壌汚染や埋設物がある土地
- ③崖がある土地
- ④権利関係に争いがある土地
- ⑤担保権等が設定されている土地
- ⑥通路など他人によって使用される土地
要するに、国にとって管理や処分が負担となるような土地は却下されるということです。
個人的には、これらの要件を満たす土地はかなり少ないのではないかと思ってしまいます。
これに該当しないような土地を相続したけど手放したいという人は、
①審査手数料のほか、②10年分の土地管理費相当額の負担金を納付することで承認されます。
(※法務省の参考資料によれば、現状の国有地の標準的な管理費用(10年分)は、粗放的な管理で足りる原野で約20万円、市街地の宅地(200㎡)で約80万円とのことです。)
次回は所有者不明土地対策に関する民法の改正について書いていきます(^.^)