コラム

田舎の土地をどうするの?②

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こんにちは。弁護士の家護谷です。前回に引き続き、所有者不明土地等対策について、書いていきます。

今回は、所有者不明土地の発生を抑制するための3つの施策(①不動産登記制度の見直し、②相続土地国庫帰属制度の創設、③土地利用に関連する民法の規律の見直し)のうち、①について紹介します

現状、社会の多くの不動産では、登記名義人と実際の所有者が異なっています。登記名義人が死亡しているのにも関わらず、遺産分割をしないまま登記が放置されている場合、将来的に厄介なことになります。不動産を使用するためにはもちろん所有者と交渉する必要がありますが、そのためには、まず法定相続人全員を見つけ出し、戸籍を集め、遺産分割協議を実施し、全員の同意を得て登記名義人を決める必要があります。このような手続きが必要になるので、土地を利用したいと思ってもスムーズにいかないというわけです。
そこで、今回の改正では、不動産を取得した相続に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることを義務付けることになりました。正当な理由なく申請をしなかったら、過料の罰則もあります。

では、実際にはどのような運用になるのでしょうか?
まず、登記申告の義務を履行しやすいように、相続人申告登記を新設します。これは相続人が法務局に登記名義人の法定相続人である旨を申し出ると、それで申請義務の履行とみなす制度です。簡単ですよね!
もっとも、これはあくまで法定相続人を明らかにするための申請義務の履行手段ですから、遺産分割がその後成立したら3年以内に正式な登記をする必要があります。

また、経済的な負担の軽減のために、登録免許税の減額などを予定しているようです。
この見直し制度は、遅くとも令和6年5月頃には施行されるようです。皆さん頭の片隅にいれておいてくださいね。次回は相続土地国庫帰属法について書いていきます (^_^)V